Primitive Ocean

 長文になる時用のブログ。

Fate/stay night -Unlimited Blade Works- #24「無限の剣製」

 ギルは「王」であることに絶対的な自信と誇りを持っていたけど、それこそがまさしくギルの敗因になったんですね。いくら士郎が相性が悪い相手であろうとも、固有結界ごと切り裂けるエアを使えば勝てたんですよね。しかし「王」としての誇りがそれを邪魔して、最後の最後までエアを使おうとはしなかった。そのうえ実際にエアを使おうとした時も、一瞬躊躇っているような描写があることから、この時点でもまだ誇りを捨てきれなかった。その一瞬の躊躇いのために、士郎の一撃が一瞬早くギルに到達して腕を切り落とすことになったんですね。あの時の士郎の方が強いって言葉は、単に士郎の強さを認めたというよりも、「王」であることを捨てられなかった自身に敗北した、って意味も込められてたんじゃないかと。
 原作だと、士郎の予想外の強さに苦戦して、勝負を焦ってエアを抜こうとしたっていう、なんか格好悪い感じだったんだけど、アニメだと、熾天覆う七つの円冠で王の財宝を防がれて、王の財宝では止められないと判断してエアを抜こうとしたって感じに変更されてましたね。
 セイバーに2回令呪を使って聖杯を破壊させるのは、第四次の時と同じですが、第四次の時が、切嗣の真意も、聖杯の正体も知らないまま、意に反しての聖杯の破壊だったのに対して、今回は全てを知って、凛と同意のうえでの破壊だったから、失意のうちに終わった10年前の聖杯戦争を、同じような、しかし今度は納得のいくかたちで終わらせて、全てに決着をつけた、って感じでしたね。