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宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章「煉獄篇」

 ヤマトのシリーズでは、主役であるヤマトを引き立たせるためもあってか、地球艦隊は負け戦を強いられることがほとんどなのですが、旧作の「さらば」と「ヤマト2」では、地球艦隊がガトランティスのバルゼー艦隊を打ち破るという、珍しく勝利する戦いが存在します。で、今回はまさにその場面なのですが、地球側には時間断層なんていう反則が存在するので、凄まじい数の波動砲を搭載した艦船でバルゼー艦隊を叩き潰すという、まさに数の暴力というべき戦いが繰り広げられました。バルゼー艦隊側も、イーターなんていう対波動防壁用の新兵器を投入して対抗するものの、やはり数の暴力と波動砲の破壊力には敵いませんでした。最もその後の展開は、察しの通りですが。
 デスラーの背後関係や、キーマンの正体が判明するなど、ガミラス側の事情が明かされましたが、ギムレーが生きていたのは予想外でしたね。ただ、親デスラー派とか、なんか唐突に話に出てきたので、ギムレーが黒幕でしたなんていきなり言われても、なんかピンと来なかったうえに、あっという間に逮捕されてしまったので、おまえなにしに出てきたんだよ、って感じでした。あとデスラーに関して言えば、新旧どちらも、ガミラスの民を滅びの未来から救うために、新たな移住先を求めていたという点では同じでしたが、自らの信念に揺るぎがなかった旧作とは対照的に、自らはガミラスの民を率いる器ではないと思い、独裁者と非難され苦悩しながらも、血の盟約に従って指導者として君臨していたという、複雑な内面を持った人物として描かれてましたね。これに加えて、スターシャとの関係とかも絡んでいるのでしょうけど。
 ガトランティスって、アケーリアスをはじめとした他文明の技術を奪ったり、ガミラスの技術奴隷のような他文明の人間に兵器を開発させたりもして、高い技術力を持っているのですが、波動砲だけはデスラーの旗艦以外では使われてないんですよね。多分波動コアを開発することができなかったのでしょう。地球側は、ガミラスから波動コア製造の技術を提供されたか、あるいは宇宙最高の頭脳を持つ天才技術者真田志郎によって波動コアを複製することに成功したか、のどちらかでしょうね。
 ズォーダーの側近のガイレーンがなんか怪しいと思う。サーベラーと透子が共鳴した時に、一人だけ状況を完全に把握していたみたいだし、なんの伏線もなくいきなり時間断層のことを見抜いたり、色々知りすぎている気がする。こいつが本当の黒幕なんじゃないかな?
 雪がヒロインのはずなのに、四章から一気に影が薄くなったな……。