Primitive Ocean

 長文になる時用のブログ。

F.E.A.R.

 終わりました。いやー、終盤はかなり面白かったですね。本当、あの序盤のタルさはなんだったんだろうって感じでした。この作品は序盤で大分損してますね。
 零の影響を大きく受けた作品だったそうですが、それはあくまで恐怖描写の方面だったようで、ストーリーはどっちかと言えばSILENT HILLに近かったですね。結構複雑な話だったので整理してみると、まずハーランが実験体に使ったのが娘のアルマで、そのアルマから生まれたのが主人公とフェッテル。んで、アリスとアルマは姉妹。事件の真の黒幕上院議員アリスで、この二人が結託して全ての事件を引き起こした。
 テレパシーで制御される兵士を生み出すというのは本当の目的を隠すためのカバーストーリーで(フェッテルが死んだあとにクローン兵が動かなくなるって描写があったけど、それを見ても分かるとおり、頭を倒せば動けなくなってしまう兵士なんて実際にはあまり役に立たないだろうし)、同時に主人公の能力を実戦でテストするためのものだった。本来の目的は、超人的戦闘能力を持った兵士を生み出すことで、恐らくこれは作中に出てきたイカロスという計画。主人公は事件発生まで優秀な兵士として育てられ、また超人的な反射神経も発現させられるようになった。
 一方、イカロス計画はテレパシー制御の兵士を生み出すというペルセウス計画に表面上は取って代わられ、元々超能力者だったアルマを(あるいは超能力を発現させるようなんらかの実験を行った?)使って主人公とフェッテルを生み出し、ファースト・プロトタイプだった主人公は失敗作だったということにして隠した。そして、アルマがフェッテルとシンクロしていることや、アルマが全てを憎む存在であることを過去のフェッテルの暴走事件で知っていたアリスが、アルマを封印したヴォールトを調査してフェッテルを暴走させ、予めF.E.A.R.に参加させていた主人公を使って事態の収拾にあたらせた。わざわざそこまで手の込んだマネをしたのは、証拠隠滅も同時に行うためだったのではないだろうか? あるいはアルマの意思をアリスが汲んだか。
 アルマの怨霊が実際の年齢よりも幼い姿で現れるのは、一種の幼児退行現象だったのではないだろうか。ショッキングな出来事に遭遇すると、それが引き金になって自己防衛のために「自分が一番安心できた頃」まで精神が巻き戻る場合がある。アルマが実験に参加したのが8歳の頃だったという設定から見ても、それが一番可能性が高いと思う。恐らく実験に参加するまでは、アルマはその能力ゆえの問題はあったとはいえ、普通の女の子として育てられていた。だが実験が開始されてからは、実験体として扱われるようになり、それがトラウマとなり、憎しみとなった。そして引き金となったショッキングな出来事というのは、言うまでもなく主人公を奪われたことだろう。自分の置かれている悲惨な状況の中で、数少ない希望だったのが息子の存在だった。それを奪われたので、アルマの精神は崩壊し、自分を守るために幼児退行を起こしたのではないだろうか。アルマの怨霊はその精神状態をそのまま反映しているのではないかと思われる(このあたりは、零の霧絵とキリエの関係や、SILENT HILLのアレッサとシェリルの関係を連想させる)。

 さてこの話、結局本当の意味で完結はしていないので、続編を出すことを考えているでしょうね。最後の電話の場面がMETAL GEAR SOLIDだし……。

あと、ひとつ言わせてくれ。
仁菜先輩を思い出すんだよ!!!