Primitive Ocean

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るろうに剣心 伝説の最期編

 本当は今日出かける予定はなかったんだけど、今日を逃すともう観る機会が無い気がしたので、予定を変更して観てきました。
 うーん、なんというか、期待外れだったな。前2作と比べると、展開があまりにも駆け足過ぎて、薄っぺらい印象を受けた。特に十本刀の扱いが酷すぎた。まともに出番があったのは、前作で脱落した張を除くと、宗次郎、方治、安慈だけで、あとは背景も同然だった。特に原作では斉藤と死闘を繰り広げることになる宇水が瞬殺されたのには愕然としたね。設定上は宗次郎の次くらいに強いはずなのに。出番のあったキャラも、それぞれが背負っているものがまるで描かれておらず、安慈がさらっと喋っただけだから、やっぱり軽いんだよね。宗次郎がなぜ敗北したのかも全然分からなかったし。
 アクションシーンも相変わらず派手なんだけど、なんか1作目の焼き直しみたいに見えるんだよなぁ。方治がガトリングガンをぶっ放す場面があるし、左之助と安慈の対決は、左之助と戌亥の対決みたいだったしな。というか二重の極みはどうしたんだ!?
 志々雄との対決の場面も、4対1の戦いになったのはどうかと思った。4人相手にしてもなお引けをとらない志々雄の強さを描きたかったのだろうけど、同じ4対1でも1対1を順番に行ううえに、剣心以外からはほとんどダメージを受けていなかった原作と比べて、映画だと4人まとめて戦ううえに、結構食らってるから、それってちょっとずるくね? って思ってしまった。志々雄の最期も、最後の最後まで倒されることはなかった、いわゆる勝ち逃げだった原作に対して、映画だと天翔龍閃が決まって、実質的に敗北しているから、志々雄の圧倒的強さってのが見えないんだよね。焔霊だけでなく紅蓮腕も一応再現されていたのはまあ良かったけど。
 天翔龍閃も、一応技自体は再現されているけど、一撃目で志々雄を倒してしまうから、その後に来るはずの二撃目が描かれないし、志々雄に放った一回しか使ってないから、そもそもこの奥義って必要だったのか、って話になるんだよなぁ。天翔龍閃は、生きようとする意志がなければ絶対に成功しない技だから、それを会得するまでの過程が重要って解釈なんだろうけど、それならそれでもっと使って欲しかったな。
 というか、序盤で無駄に尺を使いすぎてるって気がするんだよなぁ。序盤をもっと圧縮して、後半の煉獄の場面を中心に描けば、もうちょっとまともな出来になったと思うんだけど。原作ではアンチのフタエノキワミあっさり沈められた煉獄を、最終決戦の舞台に利用するってアイデアは良かったと思うし、キャスティングに関しては師匠も含めて良かったので、もったいないって思う。