Primitive Ocean

 長文になる時用のブログ。

HITMAN

 ゲームの映画化は当たり外れが激しいとの事ですが、これは私としては「当たり」だったと思いますね。BIOHAZARDのように、原作を尊重しつつもアクション重視の映画に仕上げた、って感じでした。まあ原作でも派手に銃撃戦かましながら任務を達成する事だってできるんですが、基本はターゲット以外を極力殺さずに任務を完遂することですからね。
 で、ストーリーは映画のSILENT HILLのように、原作の設定を一部踏襲しながらもオリジナルの設定を織り交ぜた感じですね。エージェント47のキャラクター描写や各種武器、任務の遂行方法などは原作のものを上手く活かして話に組み込んでいる感じですね。特にエージェント47の、背筋をピンと伸ばした状態で素早く的確に行動する様は、原作において行動パターンを完璧に把握したうえで任務を遂行できた時を思い起こさせるものでした。ただアクション映画寄りになっているので、結構派手に撃ちまくる場面が多いですし、ターゲット以外もバリバリ殺してますが。
 エージェント47出生の秘密とか、「機関」との関係とかは映画オリジナルのものとなっていましたが、まああの辺はちょっと複雑な話になるんで映画ではオリジナルの設定に差し替えられたんでしょう。なおこのオリジナル設定のためか、「機関」のエージェントは全員スキンヘッドで、死んだとしても問題ない子供を引き取って育てたらしいためクローン人間というわけではなく、エージェント47と同じように訓練を受けて育てられた存在となっていました。しかも殺しの美学まで共通なのか、お互いに銃を向け合った後に、申し合わせたように銃を置いてから全員が刀を抜いて斬りあうという、ギャグにしか見えないようなシーンもありましたね。
 エージェント47以外にも、ダイアナ・バーンウッド(姿は見せない)やエージェント・スミスが登場していました。というか、エージェント・スミス老けてるなぁ。しかもなんか偉そうだった。原作じゃあよく敵にとっ捕まる青二才ってキャラだったのに……。
 原作同様に変装をする場面もありましたが、変装は原作の「どう考えても怪しすぎるだろ!」という変装というよりコスプレと呼ぶべきじゃないかって思えるものをそのままやってました。ああいう変装で本当に他の人に成りすませてしまうから困る、のだが、それはスキンヘッドにバーコードというどう考えても怪しすぎる姿なのになぜか誰も不審に思わないのと同じで、原作から受け継がれたいわゆる「お約束」ってやつなのですがね……。メタルギアで、ダンボールをかぶっているとなぜかばれないのと同じことですわ。
 暗殺者として「純粋培養」されたために、実は女性の扱いが苦手っていうのもわりと忠実でした。ニカの誘惑には結構困ってましたし。原作でも、キスされると悪寒が走ったりするんですよね。
 色々と突っ込みどころはあるのですが、そういう突っ込みどころもひっくるめて楽しむ映画、ってところでしょう。