Primitive Ocean

 元々はゲームとアニメの感想を書いていたのですが、現在はほぼアニメ(ただし更新頻度は遅い)。あとたまに映画とか。

聲の形

 聴覚障害といじめという、2つの難しい問題を扱っているだけあって、色々と考えさせられましたね。ストーリーとしてはきちんとまとまってはいましたし、ハッピーエンドで終わるのですが、そこに至るまでの展開が結構ハードなので、観ていて辛いものがありましたね。

 アニメそのもののクオリティについては、やはり京アニだけあって文句なしの出来栄えでしたね。

 テーマがかなり重いですけど、永束と結弦がムードメーカー的な存在として活躍していて、話が重くなりすぎないようにしていましたね。  

 かつていじめていた聴覚障害の女の子を好きになってしまう、という展開は、賛否両論あるでしょう。でも、この作品には一部を除いて「悪人」はいないんですよね。誰もがなんらかのかたちで罪を背負い、もがきながら生きている。最も、ただそれだけなら、結弦が言うように単なる自己満足で、やられた側からすればどうでもいいことなのですが、将也はなんとか硝子に償おうとし、努力して、贖罪もし、命まで賭けている。他の人たちも、硝子と将也を気にかけて、不器用ながらも手を差し伸べている。そこまでできるなら、私としては、許してもいいんじゃないかって思いますけどね。実際硝子も許していますし、そこから先は2人の気持ちの問題だと思います。

 将也が顔を見れない相手には×がついているという描写は、特に植野の立ち位置を表すうえで有効でしたね。植野の立ち位置が終盤まで微妙だったのは、理解はできるけど納得はできないという立場だったからなのでしょう。植野は女子の中では一番積極的にいじめに関わっていたのですが、あまり悪い印象は受けなかったです。結局のところ、彼女の主張していることっていうのは、ひとつの真実なんですよね。自分たちとはまるで「常識」が違う人間と接するには、お互いが理解し、歩み寄る必要があるけど、それはとても難しいことなのだから、お互いが努力しなければならないのに、硝子はずっと「自分が悪い」「じぶんのせい」という方向にばかり考えていて、植野や将也たちの本当の気持ちを知ろうと努力しなかった。植野や将也の側も、硝子という「自分たちの常識が通じない」存在にきちんと向き合おうとはしなかった。お互いの努力が足りなかったことから、硝子は邪魔者という認識が生まれ、それがいじめという最悪の結果を招いてしまった。だからいじめられても仕方がない、というのはあってはならないし、いじめを正当化することはできないけど、理解する努力が足りなかったという点では、硝子も植野や将也とある意味同じだったんだと思います。

 作中で悪印象だったのは竹内と川井ですね。特に竹内については、硝子に対するいじめに気がついていたと思われるのに、そのことを放置していた挙句、問題が大きくなった途端に将也にすべての責任を擦り付けてますからね。あれは自分の責任を回避するために保身に走っただけにしか見えませんし。川井も、自分の罪から逃げるための言い訳ばかりしてましたから。まぁ川井はまだ、自分の罪に気付いていたっぽい雰囲気はありますが。

  聴覚障害があることがいじめに繋がっていることや、補聴器云々については、ことの重大さを端的に表しているけど、実際のいじめの問題はそんな分かりやすい話じゃないんですよね。障害がなくても、大事な物が壊されなくても、心はズタズタにされますから。

 にゃんにゃん倶楽部? ただの天国じゃん。