Primitive Ocean

 長文になる時用のブログ。

君の名は。

 綺麗な映画。そんな印象を受ける映画でしたね。新海誠の作品は、映像の美しさでは定評があるのですが、今作ではそれに加えて、動きもかなり細かくなっていましたね。音楽も好印象でしたし、ストーリーも、展開のさせ方や伏線の張り方など、2時間の枠の中で上手くまとまっていましたし、全ての要素が上手いこと「綺麗」に噛み合っている、と思いました。

 起承転結の基本をきっちり押さえていましたね。前半はラブコメっぽい、明るくテンポの良い内容ですが、その日々が突然の終わりを迎え、真相が明かされる辺りから一気に物語にのめり込めましたね。中盤以降はシリアスな展開だけど、登場人物たちの前向きな言葉や態度が多く、話が重くならないように工夫されていました。2回OPがあるというのも、新しい試みでしたね。

 きっちりハッピーエンドで終わらせているのも、観終わったあとの印象を良くしていましたね。ラストの瀧と三葉がすれ違う場面で、「秒速5センチメートル」のラストを思い出してしまいましたが、最後はきちんと再会するところで終わってました。まぁ「秒速5センチメートル」は失恋の話なので、目指している方向が全然違うのですが。

 ストーリー上重要な伏線はちゃんと回収されてましたが、三葉の父親に関する話は、きっと色々細かい設定とかがあるんだろうな、って思いました。意味深なセリフもありましたし。作中では描かれてなかったけど、それが最後に三葉の説得を受け入れたことに繋がっているのでしょうね。

 俳優が声を当てると当たり外れが大きいのですが、今作は特におかしなところもなく、自然な感じでしたね。特に瀧役の神木隆之介は上手いと思った。三葉と入れ替わっている時でも、あまり不自然には感じませんでしたし。

 ちょっと疑問に思ったのは、3年の差をどうしてお互い気付かなかったのか、ってこと。カレンダー見れば一発で分かりそうなものなんだけど。お互いの生活環境があまりに違いすぎたうえに、お互いの生活を守ることに必死だったから、そんな簡単なことにすら気がつかなかった、ってことなんでしょうかね。

 三葉はかわいいと思った。でも終盤に一瞬だけ出てきた高校生になった四葉の方がもっとかわいいと思ってしまった。