Primitive Ocean

 長文になる時用のブログ。

海難1890

 エルトゥールル号海難事故と、テヘランの邦人救出を描いているのですが、内容的にはエルトゥールル号編の方にかなりの比重が置かれていて、こちらは登場人物たちの過去とか詳細に描かれているのに対して、テヘラン編はさらっと終わる感じですね。1つの映画のストーリーとしてみた場合、テヘラン編は蛇足っぽい印象もあるんですが、この2つの出来事が「実話」を基にしているうえ、お互いに関連性のある話なので、両方描くことに意味があったということで、こういうかたちになったのでしょうね。

 映画的の内容自体は、ややチープな感じというか、ご都合主義的な印象がどうしてもつきまとってしまってますね。特にテヘラン編の空港でのやり取りなんか、そんなに上手くいくものなのか? って感じでしたし。ただ自分たちだって今日を生きるのに精いっぱいって状況なのに、村人総出で不眠不休で救助にあたったり、少ない食料を分け与えたりすることができるのは、やはり彼らが「日本人」だからなのでしょうね。今でもたびたびニュースになったりしますけど、「日本人」の、窮地に立たされている人を助けようとする団結力には凄まじいものがありますからね。教育の賜物というよりも、遺伝子レベルで刻まれてるんじゃないかって思えるくらいですし。トルコの人たちも、そういった過去の「日本人」の行いに敬意を抱いていたから、テヘランの空港で彼らに道を譲ったのだとすると、感慨深いものがありますね。まあトルコの人たちは陸路でも脱出できるという選択肢があった、というのもあるでしょうけど。

 1985年当時の事情をみると、日本は「日本人」を見捨てた、というより助けたくても助けられなかった、という状況だったようですね。政府専用機すらなかった時代ですし。今ではさすがにそこまで酷い状態ではないようですし、そういう当たり前のことができるように法改正とか色々と変わろうとしているのですが、それを妨害しようと必死になっている連中は、一体「どこの国の人間」なのでしょうね?