進撃の巨人 第１１話「偶像 ――トロスト区攻防戦７――」

　ピクシス司令が言っていたことが、ひょっとすると真相に近いのかもな。巨人、すなわち巨人を生み出す「何か」を創り出したのもまた人類であり、強大な敵を生み出すことで人心を一つにまとめようとした。だがその巨人が制御不能に陥って、人類は追い詰められてしまったんじゃないかな。少なくともグリーシャは巨人を生み出した「何か」がなんであるかを知っているようだし。
　恐怖による統率は、ある目的のために人間を動かすために有効なことも多いが、使い方を誤れば恐怖に支配されて大きな混乱を招き、統率どころではなくなってしまう。その点ピクシス司令は、恐怖の使い方をよく心得ているようだな。恐怖に駆られて逃げ出した方が、より大きな恐怖に襲われることになる。そのことを分からせることで、兵士たちを踏みとどまらせるとはな。実際、ここで勝たなければ本当に人類に勝ち目はなくなるからな。