Primitive Ocean

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Fate/Zero 第16話「栄誉の果て」

 世界を救うという理想を胸に抱きながらも、勝つためにはどんな卑劣な手段も平然と使いこなす。でもそれは逆に、どんな手をもってしてでも世界を救いたいという強固な意志があるからこそであり、生半可な決意では成しえないものなんだよね。どれだけ醜い戦いを繰り返しても世界は救えないと分かった切嗣が、最後にすがりついた希望が、あらゆる願望をかなえるとされる聖杯だった。だから切嗣にとっては、聖杯を手に入れて世界を救うことが全てなんだよね。ゆえに同じ救済を目指しているとしても、あくまで誇り高い騎士として祖国を救おうとしているセイバーとは、どうあっても相容れることができないんだよな。
 残された令呪が1つだけだったというのが、切嗣の作戦が巧妙かつ外道であることを物語っているんだよな。あの時のケイネスは一切魔術を使用できない身体になっていたから、もしランサーが裏切った場合に抵抗するには令呪を使って自害させるしかなかった。そしてケイネスはランサーのことを一切信用していなかったから、保身のためには令呪を残しておくしかなかった。だからあの場で令呪を使って切嗣を殺せとかそういう命令はできないから、切嗣の条件を飲むしかなかったんだよな。もしケイネスが切嗣の、切嗣自身以外なら手を下せるという意図を察知できたとしても、どうにもならなかったんだよな。
 第4次のランサーも第5次のランサーも、マスターが腕を切り落とされる、どちらも自害させられるって点で共通しているな。そういう運命なのかねぇ。