Primitive Ocean

 長文になる時用のブログ。

Canvas2

 ま、昨日はそれほど悪くないとは言ったが、問題点はいくつかあったね。最終回のどんでん返しそのものは良いんだが、いかんせんそこに至るまでの描写が足りていない。なにせ直前まで霧中心に話が展開していたからなぁ。浩樹がエリスを選ぶのがあまりにも急すぎる。エリスを選ぶ決定打があの絵だったとしても、エリスを恋愛対象として考えていく過程はやはり必要だっただろう。また、霧を振ってエリスを選んだなら選んだで、まず霧との関係にけじめをつけてから絵を描いてもらいたかった。なにしろホテルに誘ったのは浩樹の方なんだから、それくらいの誠意は見せるべきだったと思うのだが。そして、最後のベッドシーンはどう考えたって蛇足(笑)。
 ただ、じゃあ浩樹は霧のことを好きだったのかというと、これは好きだったというより、好きだと思い込んでいただけなんじゃないかと思うのだが。実際、浩樹が明確に霧が好きだと示した描写はどこにもない。というか、そんな描写があったうえでこの結末だったらさすがの私もぶちキレる(笑)。なまじ仲が良好なだけに、霧と一緒に過ごす時間が多くなり、過去に霧に告白されていることと、再度霧に告白されたことで、自分も霧のことが好きなんだろうと誤解してしまった。だから自分の本当の気持ちに気がつかなかったんだろう。だからこそ、上記のエリスを恋愛対象にしていく過程が必要になってくるわけだが。逆に言えば、昨日書いたとおり、霧がもっと積極的に浩樹を自分の側に引きずり込めれば、浩樹の思い込みを本物に変えることもできたと思うのだが。
 まあシナリオ面で描写不足という大きな問題点はあるが、他はわりと良くできていたのでというか浩樹がエリスとくっつこうが霧とくっつこうが、可奈ちゃんと朋子ちゃんと菫ちゃんが好きな私にはどうでもいいことだし、彼女たちの扱いは良かったので佳作寄りの凡作くらいが妥当な総合評価だな。
 
 ラムネの健ちゃんの誠実さはマジ全てのギャルゲー原作アニメの主人公が見習うべきところ。